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「なあ龍希、一昨日の相棒録画してないのか?」
着替えを終えてリビングに戻ると、バレットは考えるのを諦めてレコーダーを弄くり回していた。客人のマナーとしてはグレーゾーンだが、寛いで構わないと言ったのはブランクなので文句は言えない。
「諦めるの早くないか」
「謎解きはディナーの後で、ってな」
「それはちょっと古い」
「龍希、しゃべるのもいいがこっちをを手伝ってくれ」
龍希は徐に鍋掴みを手にはめると、ブランクと共に次々と料理を並べる。メニューは野菜炒めに豚肉を混ぜて塩胡椒で味付けしたものと、白米に味噌汁。逆にわざとらしさを感じるほど家庭的で、ブランクの良妻ぶりがにじみ出ていた。
「確かにこれは凄いな。クレインに見せてやりたいよ」
「ふん。当然だ」
バレットは舌鼓を打ち、ブランクは得意げに鼻を鳴らした。
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