故郷からの客人

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「さ、さあどうぞ」 龍希は恐る恐るマンションの一室にグルガンを招き入れた。 「……ふむ。広さは合格点だな。廊下が外にむき出しなのは些か奇妙だが、部屋も見たところは数百以上ある」 (やばいな、早速勘違いしてる……) どうやらこのマンション全てが龍希のものであるとグルガンは思っているようだ。一体ブランクは昔どれほど広い豪邸で暮らしていたのだろうか。想像も付かなかった。 「何故こんな広い中でここの部屋に案内したのだ」 「ここが一番見晴らしがよくてここで主に生活しているのだ。別の部屋は他の人間に貸し出している。龍希は優しいからな」 正直に言うか迷っていたが、ブランクが上手くフォローしてくれた。 「そうだったのですか。しかし、ブランク様にとっては狭くありませんか?」 やはりブランクが相手だと若干物腰が柔らかくなるようだが、焼け石に水である。グルガンはその後も姑のような態度で家を探索し、とある地雷を見つけ出してしまった。
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