故郷からの客人

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「な、なな……何て卑猥な!」 絶句しているグルガンの目の前にあるのは、一般人なら目を覆いたくなるほど如何わしい衣装の数々。明らかに女物のそれらをブランクのものとは考えたくなかったが、尻尾や翼を逃がすための穴がしっかりと空いている。 母親の来訪など、有事の際には勿論隠すが今はその時間が無かった。龍希のクローゼットは今、ピンク色のブラックホールと化している。 「まさか、貴様は指輪の権限を利用してブランク様にこんなハレンチな格好を……!?」 「人聞きが悪いことを言うな。確かに最初は嫌がってたけど、今は悦んで自分から着てくれるぞ!」 「よ、余計なことを言うな!」 しかし龍希を擁護したいブランクはそれ以上言い返せず、真っ赤になった顔を両手で覆ってしゃがみ込むしかない。それに、言い返せないのはそれが事実と言うこともある。 「あの清楚なブランク様が、毎晩こんな如何わしい衣装に身を包んでいるなんて……なんて……う、ウラヤマシイ……」 「え、今何て?」 「な、何でもないッ!」
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