故郷からの客人

14/24
前へ
/2439ページ
次へ
「グルガンって、本当にただの世話係なのか?」 「そんな訳がないだろう」 グルガンの服装は、ブランクの貴族服とバニアスの軍服を足して割ったようなものであった。そこから本来の役職は大抵想像が付く。 「私はマキナ家が保有する私兵団の隊長だ。ブランク様の世話係であると同時に、その護衛と言う重い任務を授かっている」 家出したブランクのことを心配するのははっきりとした理由があった。しかし、そんなものは飾りに過ぎないということを、二人は後に思い知ることになる。 「今回の一件に限らず我は昔から悪童であったからな。グルガンにはいつも迷惑をかけっぱなしだ」 「いえ、そんなことはありません。ブランク様は自由奔放であればこそ。気に病む必要は全く無いのです」 「そうだよ。やっぱりブランクはそこが可愛いんだから」 「黙れ。貴様は少し気に病め」
/2439ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1111人が本棚に入れています
本棚に追加