故郷からの客人

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「公式ファンクラブとは何だ!我はそんなの知らぬぞ!?」 「これも仕方がないことです。ブランク様の魔性の可愛さを知ってしまっては、こうなるのはある意味必然」 「おい、もうその辺にしておいた方が……」 最初は悪乗りしていた龍希も、写真で完全にブランクからの信頼を失っている様子を見て段々と可哀想になってきた。 「黙れ!貴様は知っているのか?幼い頃のブランク様を……」 「幼い頃……だと」 「そうだ。モチモチしていて、今の何倍も人懐っこくて甘えん坊で、抱き寄せるとほんのりお日様の香りがするんだ!」 グルガンはコートの内側にびっしりと敷き詰められた写真から一枚抜き出し、龍希に見せ付けた。そこには、ボールを抱えながら無邪気に微笑んでいるブランクが写っている。 「もしも私が男で、ブランク様を嫁に迎えられたらと悩んだ夜は数知れず!一緒に入浴したり、ましてや寝付けないから隣で寝たいなんて言われた日には、もう……劣情を抑えるのに私がどれだけ苦労したことか!勿論、今の色気溢れるブランク様も素敵ですがね!」
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