故郷からの客人

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「本当に申し訳ございません……」 あれから数分後、グルガンは積み上げられた写真の横に座り込んで頭を床に擦りつけていた。 「どんな償いもします!どうか、どうかさっきの独白は無かったことに……!」 「取り敢えず、この写真は没収しておく」 上から何枚か見ただけでも、あの話を聞いた後では微笑ましい成長日記とは思えないものが何枚もある。到底見逃すことはできない。 「そ、そんな!それを失ったら私は何を生き甲斐に毎日を過ごせばいいのですか!」 「無かったことにしてほしいのだろう?なら、お互いに無かったことにするのが筋と言うものではないか」 「ああ……どうしてこんなことに!私はただブランク様の様子を見守りに来ただけだったのに!」 (やっぱり悪いことしたかな) 秘蔵のコレクションの前で泣き崩れる情けない姿を見て、龍希はブランクの忠告を聞いておくべきだったと後悔した。
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