故郷からの客人

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「まあ、今回は大目に見て上げようよ」 龍希はブランクから写真を取り上げた。 「これと、これと……ああ、これも流石にダメだな」 「貴様、何をしている……?」 その中から明らかに如何わしい物を抜き取り、残りはグルガンに返却した。 「ブランクが嫌がりそうなやつは抜いたから、残りは返してあげようぜ。な?」 「むう……」 ブランクは残った写真を再びグルガンから受け取り、念入りに確認する。そして自分でも何枚か駄目出しをして、ようやくグルガンの元に写真が戻ってきた。 「あ、ありがたい……タツキとやら、恩に着るぞ!」 かなり枚数は減ってしまったがそれでも返って来たのは万々歳だったようで、今度は喜びの声を上げる。 「夕飯、もうできたみたいだけど……」 「いいや、結構。ではこれで失礼します」 グルガンは写真をコートの中にしまうと、ブランクに頭を下げて窓から外に飛び立っていった。 「……結局、あのグルガンって人は何をしに来たんだ?」 「さあ……」
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