故郷からの客人

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「さあ、大人しく写真を返せ!思い出としての写真はきちんと残したのだ、不純なモノはこの場で焼き払うぞ!」 「嫌だ!この写真は俺が貰うんだ!」 龍希はまるで写真に映るブランクに負けず劣らずの幼子の様に駄々をこね、挙句の果てに抱き着いた。 「それにしたってグルガンも失礼なこと言うよなあ。今だってこんなにモチモチしてて可愛いのに」 「こら止めろ!はぐらかすのは、狡いぞッ……!」 口ではそう言いながらも、ブランクは龍希に言い透かされ、身体までまさぐられるとどうしても顔がにやけてしまう。こうなればもう龍希のペースであり、後は済し崩しにされてしまうのは間違いない。 「俺お前の小さい頃知らないんだから、写真くらい持っててもいいだろ?毎晩この写真よりも如何わしい姿晒してるんだからさあ」 「う、むう……。…………!」 しかしこの時、ブランクの意識にほんの僅かな違和感が走った。 何か大切なことを忘れているような、微かな予感。だがそれがどんなことであるかは分からなかった。
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