新たな日常

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「これは知っているぞ。一眼レフと言うヤツであろう?」 ブランクは興味深そうに高そうなカメラを手に取り、無邪気回したりしながら眺めていたが、レンズのキャップを外そうとしてバレットに取り上げられた。 「これを持って、これから旅に出ようというのか?」 「ただの旅じゃない。翼も魔法も使わないで、人間の姿で人間の世界を回る。もっと沢山のことを知りたいんだ。アイツが本気で愛した、この世界のな」 「……そうか。お前は別れの挨拶をしに来たと言う訳だな」 「暫くは会えないからな。まあ心配はいらねえよ。何かあれば何処からでもでも駆けつけるぜ」 バレットは得意げに、だが少し寂しそうにカメラをしまった。だが、龍希はそのカメラについてどうしても気になることがある。 「そのカメラ、新品じゃないよな?」
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