1112人が本棚に入れています
本棚に追加
「龍王って、文字通りブランクの世界で一番上の人だよな。結構優しそうだったけど……」
更に加えれば、他のマキナ家関係者と違い自分とブランクの仲を快く思わないどころか、逆に応援してくれていたような感じを受ける。その龍王がこうして二人の苦難に繋がるような下命をするだろうか。
「龍希、お前の考えていることは分かる。だが実際にこの命令を下しているのは龍王ではない、我の父上だ」
「それってどう言うことだ?」
龍希の率直な質問にブランクは自嘲をたっぷりと込めて答える。
「龍王の息子で、龍世界の二番目の地位に立つ者だ。このような令状から例え夕飯のリクエストであろうとも龍王の名を借りて自由に書ける」
「何て言うか……ズルいな」
「ああ。だが、それでも事実上は歴とした龍王の言葉だ」
指を組んで俯くブランクから有無を言わせぬ状況だと言うことが嫌でも伝わってきた。
最初のコメントを投稿しよう!