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「そうだな。バレットに新品を買う金がある訳が無い」
「いや、そうじゃなくてさ……」
「お前、変わってないところもあるのな」
「?」
相変わらずどこか抜けているブランクに、二人は苦笑いを浮かべている。
「多分それは新品とか中古とかじゃなくて、譲り物だよ」
「そこまで分かってるなら話が早い。俺だって勿体付けるつもりはないんだ、全部言っても構わないぞ」
「楠木さんのだろ。そのカメラ」
「そうだ」
まだ十分に使うことができるカメラを渡すと言うことは新しいものを買ったか、あるいは友情の証か。
それでもなければ、カメラが必要でなくなったか。
「あいつ、ジャーナリスト辞めたらしい。それで今、一から勉強して大学に入り直すんだってさ」
イザナギとの誓いと日常の差に苦しんでいたのは、青山だけではなかったのだ。
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