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「ただいま」
「う、うむ。食事の準備は出来ているぞ……」
龍希が何事もなかったかのようにドアを開けると、息を切らせたブランクがこれまた何事も無かったかのように出迎えた。
「お前も変わったなあ」
ブランクは例のピンクフリルのエプロンを臆面も無く身に付けていた。流石に長期の生活を送るのにあの煌びやかな服装は不適だと判断したのか、そのエプロンの端からスカイブルーのワイシャツが見えている。更に下もドラゴンの関節に合うジーンズになっている辺り、エルト辺りが揃えてくれたのだろう。
そして、何故かこの季節に黒いネックウォーマーを付けていた。
「ブランク、その首巻き暑くないのか」
「細かいことは気にするな。客人は客人らしくゆっくり寛いでいてくれ」
しかし、バレットは強引にソファーに押し込まれてしまう。
「ああ、成る程。そう言えば昨日はそうだったな」
「何だよ、意地悪しないで教えてくれよ」
「当てられたらな」
龍希は満足そうに頷くと、着替えるために自分の部屋へと向かった。
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