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「いってきます」
私はふふっと笑って社長に言い、社長室を出る。
エレベータでは誰にも遭遇しなかったけれど、エントランスに出ると、そこにいた社員達、特に女子社員達の視線が一斉に私に向けられた。
「あ、あの女よ。社長の……」
「厚顔無恥もはなはだしいわよね。よく平気な顔して出てこれるもんだわ」
「どうやって社長に取り入ったのかしらね」
もはやヒソヒソ声ではなく、完全にわざと私に聞こえるような声で皆が噂する。
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