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 私は知らん顔をして、早足でエントランスを抜ける。  突き刺さる嫉妬と憎悪、好奇の視線に内心泣きそうになりながら…。  もし、私が本当に冴島社長の恋人だったなら、他の女性社員達からの嫉妬もやっかみも、ただの負け犬の遠吠えと思い、優越感さえ覚えていたかもしれない。  でも、社長と私は実際は皆が思っているような関係じゃない。  私は社長にとってはただの“食糧”にすぎず、私が勝手に社長に片思いしているだけのいびつな関係…。
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