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「社長、早くゆりあ様の首の傷を止血しなければ…命に関わりかねません!!」
遠山さんが慌てた声で言い、社長は
「あぁ…」
とうなずく。頭が朦朧として、視界がぼやけ行く中、社長の眼差しが私をじっと見つめる。
「ゆりあ…なぜ、こんな…」
社長のひどく悲しげな眼差しを、私は初めて見た。
「社長…」
「いいか?死ぬなよ。俺が助けてやる」
そう言うと、社長は身を屈め、私の首筋に顔を埋めた。だけどいつものような吸血ではない。彼の舌が私の首筋の傷の上をゆっくり這う。
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