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「なんでそれを…?」
私は社長の顔をのぞきこみ、どきりとする。
社長は今にも泣き出しそうな顔をしていた。
ずっと、強い人だと思っていたのに…たかが私なんかの事でこんな顔をするなんて…。
「お前が出ていった後、お前のバッグの中の携帯があんまり鳴るんで中を見させてもらった…まさかあんなメールが届いていたなんて…」
社長の言葉に、私は財布だけを持ってバッグは社長室にそのままにして出てきた事を思い出した。
「…俺のせいでお前がいわれのない誹謗中傷に合うなんて思いもしなかった。本当に…すまなかった」
「気にしないでください。社長のせいじゃないですから」
私は社長に微笑む。社長は言葉を返す代わりに、私をいっそう強く抱き締めた。
「ゆりあ…」
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