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野菜でありながら、
果物屋さんでもお目にかかれる
ビタミンCの王様を、
二人は摘んでは食べ、
食べては摘んだ。
お店で買ってくる苺とは違う、
なんとも言えない味わい。
甘くて、酸っぱくて、それは何故か
懐かしい気持ちにさせてくれた。
制限時間になるころには、
ゴミ袋はいちごの蔕
でいっぱいになっていた。
水の妖精は、天然の口紅で
その唇を仄かに染めて言った。
「今日はもう何も食べられないね」
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