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さすがにお尻のラインは
一回り大きくなってはいたが、
元々肌がきめ細かであったため、
その瑞々しさは三年前と
なんら変わることがなかった。
一人で置いておくと、
たちまち男どもが寄ってくるのを見て、
片手くらいサバをよんでも
充分通用すると哲は確信した。
「そういえば……」
ラジオを聴きながら
夏の記憶を辿る哲に、
その時は何も感じなかったある出来事が、
不意に大きな謎となって思い起こされた。
例年通りの賑わいをみせる三浦海岸で、
タバコを吸いながら、
哲は誰に語りかけるともなくしみじみ呟いた。
「この辺の海も、昔はもっと
きれいだったんだけどな……」
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