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 朝練が終わるころには、 皆ヘトヘトになっていたが、 比較的真面目な生徒が揃っていたため、 授業をサボる者は一人もいなかった。  シャワーを浴び、 濡れた髪をドライヤーで乾かすとき、 ロッカールーム(特に女子部)は、 独特の賑わいをみせていた。  水泳部に限らず、 運動部の生徒の多いクラスでは、 時折開け放った窓から そよと風が揺れるたび、 教室中が 流行りのシャンプーの匂いで満たされた。  そんなとき、哲は 隣りの教室にいる光子を 思い描かずにはいられなかった。
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