6/17
前へ
/39ページ
次へ
 放課後になると、 本格的なクラブ活動の始まりである。  朝の練習は、スタミナをつけるため、 短距離の選手も遠泳というスタイルを とっていたが、放課後は それぞれの専門分野に戻って練習に励んだ。  水泳は、たとえリレーであっても、 チームワークよりも 個人の能力が重要視されるスポーツである。  それで、各自が自分の レベルアップを図るため、 スタートダッシュにターンにと、 それこそ足の筋肉が攣るまで泳ぎ続けるのだった。  ところで、哲は、部活ではたった一度だけ、 本当に足が攣ってしまったことがある。  入部して間もないころ、 飛び込んだ拍子に 脹脛が痙攣してしまったのである。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加