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プールサイドで休んでいる哲の目に、
七月の陽射しがやけに眩しく差し込んでいた。
空には雲一つなかったのを覚えている。
先輩たちが水飛沫をあげて
目の前を通り過ぎるのを、哲は
情けない思いでぼんやり眺めていた。
「大丈夫?」
声のほうを見上げると、
まだあどけない少女の微笑みがあった。
水の雫が太陽の光に反射して
キラキラ輝いている。
哲は眩しさに、つい
視線をはぐらかしていた。
哲は、今までに味わったことのない、
不思議な感覚に包まれていた。
微弱電流が頭の先から発せられ、
体全体を駆け巡り、つま先にまで届いた。
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