第3話 サンタクロースは誰がお好き?

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翌週、私はミカの車に乗せられて、今月3度目となる三神の里に向かっていた。 「沙織さんは料理が上手ですね」 「そんなことないです。おにぎりなんて誰でも作れますよ」 「そんなことないですよ。おにぎりには人柄が出るって、学食のおばちゃんが言ってましたから。本当に美味しいですよ!」 「具も入ってない塩にぎりなのに……すみません」 「なんで謝るんですか?こういう時、ありがとうじゃダメなんですか?不思議ですよね~日本の人は。なんでもすぐに謝ってしまう。生徒にも多いのですよ」 「そうですか……すみません……気をつけます」 「ほらまた謝った。美味しいおにぎりをありがとうございます。僕がこう言ったら沙織さんはなんと言うのですか?」 「美味しいと言ってくれてありがとうございます……ですか?」 「はい!僕はその方が嬉しいです!」  先週の帰り道をミカに送ってもらって、また今週もミカの車で下呂に向かうことになった。
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