第4話 皐月に香るは恋のストーム(1)

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ミカが連れてきた大切な人アルベルトは、見かけは格闘家のような風貌をしていたが、物静かな青年だった。 ドイツ出身で、日本にやってきて5年目だそうだ。 ミカと知り合ったのは錦(にしき・名古屋の繁華街)にある外国人が集まるバーで、今は栄にあるマッサージ店で働いているそうだ。 「マッサージ店で働いているのに、ゴールデンウィークによく休みが取れましたね」 未華子は、会話の最中すかさず合いの手を入れるのだが、アルベルトは口を開かない。 なんなら、彼のプロフィールに関わる紹介を全てしたのは、ハンドルを握るミカだった。
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