第4話 皐月に香るは恋のストーム(2)

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「ごめん!でも、まだ遅れてないよね?」 思わず時計に目をやり、時刻を確かめながら、足早に近寄っていく。 「時間は全然大丈夫なんだけど、ちょっと厄介なことになって……」 「どうしたの?なんかトラブル?」 「いや~フリーペーパーを見てくれた先輩から連絡があってさぁ、今日のパーティー聞きつけて、来るって言ってんのよ」 「それの何が厄介なの?先輩の分の予約、上手く取れなかったの?」 「そうじゃないわよ。お店の方はどうにでもなるんだけどさ。その人、気に入った男は離さないって有名な人なんだよね。三年前に結婚して、落ち着いたと思ったんだけど、最近離婚しちゃって。だから、かなりやる気満々でやってくるわけよ……しかもターゲットはミカリンよ、確実に。いや~もう、断りたかったんだけどさ、断れない時ってあるじゃん!もうせっかく楽しいコンパのつもりだったのに、気分ヒヤヒヤ~」 「あらら……」
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