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志水太郎は、とにかく逃げるしかなかった。
警察官に追われていた。
殺人犯人に間違えられたのだ。
とにかく走るしかなかったのだ。
周囲にはパトカーが走り回っている。
上空からも見張るようにヘリコプターが旋回していた。
このまま捕まれば死刑は免れない可能性も考えられる。とにかく、捕まるわけには、いかないのだ。なんとしても自分自身で真犯人を捕まえないとならないのだ。
しかし周囲は警察官が集中投入され、志水を捕まえるための検問体制が確立されていた。
志水は、とにかく逃げ続けた。
警察による検問を避けなければならない。
橋を渡ろうとしたが警察の検問があった。
志水は警察の検問体制が弱まるのを待つしかなかった。
パトカーが入ってこないだろうと思われる場所へと隠れるしかなかった。
外は肌寒い感じであり、冷え込んでいた。
志水は逃走するために走り続けたので、身体は温かく汗が垂れ落ちていた。
こんなに走ったのは学生時代以来であろう。
学生時代に走り込んでいたのが、役に立ったのだろうか。
警察官からの追跡を逃れる事が出来た。
そして、人通りのない通りへ逃げ続けた。
すると河川敷の物陰を発見した。
浮浪者が住んでいるであろう場所であった。
ブルーシートで囲まれており、中は汗臭いような匂いがあるものの、隠れるには最適な場所だ。
生活するための道具が整理され置かれていた。
志水は誰もいないので、ここで時間をやり過ごす事に決め、横になった。暫くすると疲れのためか眠りにふけてしまった。
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