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志水が眠りにふけていると、髭面の男性が中に入ってきた。 「誰だ、お前は。勝手に人の住まいに入ってきやがって。」 その髭面の男は、このブルーシートで囲まれた場所の持ち主のようだった。 「すいません。追われているんです。かくまってください。」 「ふざけるな。ここは、俺の場所だぞ。何を言っているんだ。」 「お願いです。隠れさせてください。今、外に出されたら、捕まってしまいます。」 「そんな事は知るか。ここは俺が作り上げた場所なんだ。不法に占拠するな。」 「一時的で良いんです。ある程度の時間が経過したら、この場を去りますから。」 志水は髭面の男に哀願した。 「お前は誰に追われているんだ。ヤクザにでも追われてるのか。」 「いや、警察に追われているんです。俺は何もやってないんです。無実なんです。」 「無実なら、警察に言えばいい。俺は警察に追われている者をかくまう気はない。」 「今、捕まったら、俺が犯人にされてしまいます。だから捕まれないんです。真犯人を見つけないとならないんです。」 「犯人をかくまえば、俺だって罪になるだろうよ。そんなのは無理だ。今、多数のパトカーが巡回していたが、お前を探していたんだな。」 「とにかく、今、捕まれないんです。絶対に真犯人を探したいんです。」 「真犯人なんて簡単には探せないだろうよ。どうするんだよ。」 「なんとしてでも、俺が真犯人を見つけます。」 「お前の言っている事は分からない訳ではない。俺を巻き添えにされても、どうにもならんよ。」 「迷惑をかけるつもりは、ありません。ただ一時的に隠れさせてもらえれば良いのです。」 「一時的に隠れさせるということだな。犯人隠避になったらイヤだからな。」 「警察に捕まったとしても、貴方に隠れさせてもらって逃げるのを補助してもらったなんて事は絶対に言いませんよ。」
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