第五話 久方ぶりの恋愛はJUNEで紫陽花な味がする(1)

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 思わず、そんな風に思ってしまった私は、図々しいというものなのだろうか。「それじゃぁ」と、あまりにプラトニックな別れをした後、嬉しいのだけれども……すっきりしないような感覚をまとい家に着いた。 それにしても、ミカが私を好きだなんて……驚きだ。 いつからなんだろう、どうしてなんだろう……。 そんな事を思いながら、シャワーを浴びている時に、ミカからプレゼントをもらっていたことを突然思い出した。 裸のまま部屋に戻り、バックの中に入れ込んでいたミカからのプレゼントを取り出した。包を開けると、そこに入っていたのは、私がラシックで可愛いと言っていた箸置き。 あの時、「先に会場に行ってくれ」と頼まれたのはひょっとして……。 私が考えている以上に思ってくれているのかも?  モヤモヤしていた思いは一瞬で飛んでいき、鼻歌を歌いながら、シャワーを浴び直した。
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