カオハギの誕生

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モニターに表示された絵を見ると、西山はまったく似ていないものの、僕の顔はかなり特徴を捉えていた。 今、通り過ぎている人が僕の顔とモニターを見比べて怪しいと思ってもおかしく無いくらいに似ている。 大阪に住んでいる同級生がこのニュースを見ていた場合、アイツだと気づく人間も居るかもしれない。 しかし、僕を辿れるモノは大阪ですべて消して、霧島市にやってきた。 バレる事は無い。 とにかくお父さんの所へ戻れば、なんとかしてくれるはずだ。 僕は駅構内にある洋服屋でサングラスと帽子を購入して新幹線の到着を待った。 西山は映像に出された絵が全く似ていなかった為、変装はしていない。 「おい、お前……これからどうするんや?あそこまで似てる絵だされたら、霧島市に戻っても怪しまれるぞ……」 「そんなこと解ってる……。とにかく、霧島市に戻ってから考えるさ」 そんな会話をしていると、新幹線は到着する。 自由席を取っていた僕と西山は周囲を警戒しながら乗り込んだ。
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