カオハギの誕生

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ーーーそれから3時間。 僕達は霧島市に戻ってきた。 何処にも寄り道せずに霧島美容整形外科を目指す。 「オッサン、あんたは家に戻ってくれ。一緒に歩いてたら、ニュースで報道されている2人と気づかれる可能性が高くなる。一旦家に戻ってから、霧島美容整形外科に来るんだ。充電器は家にあるだろ?」 「あぁ……解った……」 そう言って僕が交差点で西山と別れて細い道路に入った瞬間、背後から肩を突然掴まれた。 身体をびくつかせて恐る恐る振り返ると、お父さんが無表情で立っていた。 「お父さん……」 「大貴、初めての殺人おめでとう……。拳銃を使用せずに帰ってきたのは正解だ。使っていた場合、もっと大きなニュースになっていたはずだからな。まぁ、その顔じゃ……これから生きていけないだろう。変える必要があるな」 お父さんはそう言って僕を押し込むように車に乗せ、霧島美容整形外科に向かった。
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