1556人が本棚に入れています
本棚に追加
/108ページ
「お前な……笑いごとちゃうでホンマ。帰ってきた小太郎にお前誰やねんって顔で見られたら、責任とってくれよ?」
「犬はそんなにバカじゃないよ。嗅覚が発達してるからな……」
僕はそう言ってリビングに入り、テレビを点ける。
「あのニュース、お父さんはもうやってないって言ってたけど、本当か?」
「あぁ、俺も戻ってきてから一回も観てないから大丈夫やと思うで。まぁ、やってたとしても、画面に映る顔は既に存在せん顔やけどな。もう、俺寝るからな……」
そう言って西山は2階へ上がって行った。
僕は冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し、コップに注いでテレビの前に戻る。
ニュースのやっているチャンネルで固定し、リモコンを机の上に置いた。
『それでは次のニュースです』
女性キャスターがそう呟くと同時に、テロップが右から左に流れてくる。
【中高生自殺者過去最多】
最初のコメントを投稿しよう!