カオハギの誕生

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僕は母の首から手を離し、紙とペンをダイニングテーブルの上に置いた。 その横に、予め作っておいた遺書の文面を乗せる。 「この通りに書いてください」 母は震える手でペンを取り、文字を書き始めた。 しかし、震えのせいか字もガタガタ震えている。 「少し落ち着きましょうか。そんな震えた字じゃ脅されて書いたと思われる」 僕がそう言って椅子に座ると、母は眉間に皺を寄せて反応する。 「脅して書かしているじゃない……。これを書いた後、あなたは私達を殺すんでしょう?自殺に見せかけて……」 僕は母の目を真っ直ぐと見ながら、小さく「はい」と答えた。 「どうせ殺されるのなら、私は……こんなもの書かない!!」 そう言って紙を破り捨てる母。 ペンも僕の頬に向かって投げつけてくる。 「殺すならさっさと殺しなさいよ!!私を智樹の所に連れていって!!」
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