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ある程度距離が縮み、彼等との間隔は5m弱。
気付かれても可笑しくはない距離だ。
少年は其処で足を止め、彼等が自分に気付くのを待つようだ。
…突然、少年の右肩の上から殺気の籠った鋭く光る刀身が後ろから伸び、首元に添えられた。
刃が当たっている首の部分からうっすらと血が滲み出す。
『なぁ、首が痛いんだけど。刀を退かしてくれないだろか』
と、それでも笑みを絶やさない彼は、神経が麻痺しているのだろうか…?
「それはムリな相談だね。だって君、アレ、見ちゃったし」
殺すしかないよね♪
最後は、先程より殺気の質が良くなった声音で脅してきた。
(…さっきより、刀が首に食い込んできてるのは気のせいかなぁ?)
若干、冷や汗をかいた少年。
やっぱり、神経がマヒしていただけで首が飛ぶかもしれないこの状況は怖いらしい。
『うんにゃ?そんなことはないよ?』
………。
突然話さないでください。
話それるし、後ろの人憐れんだ目をしてますから…。
「…ねぇ、君頭大丈夫?
なに突然話し出してるのさ」
ほらね?
『あはは。本当だ。
頭は大丈夫だよ?IQ200はある大天才様ですから』
「あいきゅう?なに言ってんのか解んないんだけど」
『ん?別に気にしなくても平気だよ。
そんなことより、彼等は放置していていいのかな?何処かに行きそうだよ?』
「そんなことって…。
君が話を脱線させたんじゃない」
『俺の責ではないんだけどね』
あの、此方見ないでくださいません?
ものすっごく、感じることのない視線が感じるんですけど…。
まぁ、いいや。
話を戻して、そろそろ動いてくれません?
『えぇ~?いいケド』
「また、急になに言い出してんの?」
『気にしなぁい、気にしない。
ってな訳で…』
「どんな訳なの……さ、って!何時の間に!?」
少年は、一瞬にしてほぼ空気と化していた3人の1m離れた場所に立っていた。
「どうやって其処に!?」
『それは企業秘密です♪』
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