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とお子の体躯が、震えだした。
伝わる熱で、自分がとても冷えているような気がする。
「おい。どうし……」
「…………たすけて……」
とお子の震える口唇から、何故かそんな言葉が零れた。
無理矢理、笑うのは疲れていた。
親の前で、元気そうにするのも。
何も感じていないフリをするのも。
小学4年生のとお子に。
理由の分からない完全無視は、本当はとてもこたえていた。
青くて蒼い人と繋がった腕の部分。
そこから感じる温もりに、とお子は縋りつく。
青くて蒼い人は束の間、瞠目していたが、しゃがみ込んだ。
目線の高さが、とお子と合う。
お互いに、真剣な表情だった。
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