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青くて蒼い人の全体が、とお子の視界を埋める。
華奢に見えた身体つきが、それなりに大きい事に、とお子は気付いた。
「……君の名前は?」
「……諏訪(すわ)とお子、です……」
「俺は、……ああ、そうだ」
言葉を伝えかけて、青くて蒼い人はジャケットの内側を探る。
とお子の目の前にスッと差し出されたのは、名刺だった。
『青生 聖』
他に並んでいた文字から。
青くて蒼い人は、『考古学研究室』という所の人らしいと分かる。
「…………ひじり、さん……」
「……ああ、読めないな。“青生 聖”で“あおうさとる”と読むんだ」
(……“聖なる、青”……
名前まで、青くて蒼いんだ……)
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