§Ⅰ 記憶と夢は熟し続ける

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──── ── 甘ぁく、アマク 記憶と夢は、熟してゆく。 確かに痛くて、触れなかったのに。 見ることも、気配を感じるのも 辛すぎたはずなのに。 宝物みたい。 まだ近付けなくて、触れなくて。 そうっと、しておいたら あの色で発酵しだした。 熟した香りが うっかり、招き寄せる。 ここにあったのは とても良いものだったという様に。 それだけのはずがない。 だけど、記憶と夢は甘くなるから。 年月を重ねて、青く“発酵”して 蒼く“発光”して 気付いた時には、骨まで抉ってた。
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