籠の犬

3/4
前へ
/173ページ
次へ
そういうことなので、胴輪やハーネスは、陸君が来てから合わせる事にする。 陸君が太ったと言うのは、あんまり心配していない。迷子野良犬時代に痩せたのであろう。それが、新たな飼い主を得て戻っただけだろうと思っている。 体重1kgに満たないシマリスと、700kg超の牛しか最近相手にしていないから、13kgって半端な重量は、見当がつかない。10kgなら、スーパーで買う米の重量だが。 ところで、国語のお勉強 陸君のために、ドッグフードを買った この日本語は正しい。 しかし、 陸君のために首輪を買った は、日本語としては間違っている。 陸はドッグフードを欲しがっているが、首輪を欲しがっていない。 近隣住民のために、陸君の首輪を買った というのが正しい。 陸君に首輪をしたがっているのは、近隣住民である。自分の安全確保のために、陸君の飼い主に陸を繋げと要求しているのである。 出来たら、敷地全体をフェンスで囲い、首輪及びリードを外して飼いたい。 しかし、このデフレ下に、小物の大工仕事は値上がり傾向にある。ひとり親方クラスの大工は、仕事が全くと言っていいほどない。こんな半端仕事があると、その半端仕事でふっかけて息を繋ごうとする。資材代だけ払って自分で作ろうと考えたが、文字通りの日曜大工、今週の日曜は柱二本だけ建ててその間の金網だけ張って、続きはまた来週なんて進捗しか期待出来ない。完成するのに1年かかるかも知れない。 そして完成の暁には、うちの子も遊ばせてやってと、成果だけ利用しようとするオバハンの相手に疲れるだろう。 上沼恵美子は、大阪のオバチャンのネタで人気を博したが、どうしてどうして、米子のオバチャンもしたたかで厚かましい。 雪国の人は素朴でまっ正直だと言われ、間違いではないが、素朴と無神経は紙一重である。 さすがに、電車の座席のわずかな隙間にケツを突っ込むオバチャンはいないが、それは、田舎の電車がすいているからである。
/173ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加