13/34
前へ
/34ページ
次へ
「電話とメールだけ? それ以外はなにもされてない?」 「え……と」  これ以上、真田さんを巻き込むのは……。  そんな気持ちが出てきて、一瞬迷ったせいで目が泳ぐ。  それを見逃さなかったらしい真田さんが、   「あったんだったら、教えてほしいな」 「……もしかしたら、家まで尾けられてたかもしれないです」  私の答えに、真田さんは「そう」と呟く。  さっき男が電話で言っていた意味をすべては理解出来てないけど、 あいつが言っていた“昨日のあの男”は、宮内さんを指しているんだろうということはわかった。  それは、どこで見られていたのかはわからないけど、昨日宮内さんといるところを見ていたということ。  だから、勘違いと思い込もうとしていた、最近感じていた視線の正体は、この男で間違いないんだと思う。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

174人が本棚に入れています
本棚に追加