174人が本棚に入れています
本棚に追加
「……そんなことないです」
「いや、ある。
いたずら電話のことも相談してって言ってたのに、結局大丈夫しか言わなかったし。
今だって、そんな顔するくらい怖いんだろ?」
「いえ、……大丈夫です」
そう言ったくせに手の震えは止まらなくて、真田さんは小さく笑う。
「ほら、やっぱり強情。
怖いんだったら、女の子なんだから、もっと周りを頼ればいい。ひとりで抱える必要なんてないんだから。
それとも、俺じゃ頼りない?」
「そんなこと……」
「じゃあ、もっと頼って」
どうして、この人はこんな言葉をかけてくれるんだろう。
上司だから?
困ってる人を放っておけないから?
一度あんなことがあったから?
最初のコメントを投稿しよう!