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「……そんなことないです」 「いや、ある。 いたずら電話のことも相談してって言ってたのに、結局大丈夫しか言わなかったし。 今だって、そんな顔するくらい怖いんだろ?」 「いえ、……大丈夫です」  そう言ったくせに手の震えは止まらなくて、真田さんは小さく笑う。 「ほら、やっぱり強情。 怖いんだったら、女の子なんだから、もっと周りを頼ればいい。ひとりで抱える必要なんてないんだから。 それとも、俺じゃ頼りない?」 「そんなこと……」 「じゃあ、もっと頼って」  どうして、この人はこんな言葉をかけてくれるんだろう。  上司だから?  困ってる人を放っておけないから?   一度あんなことがあったから?
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