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「理沙……」  その欲情を孕んだ声に、私の目はさっきと同じ神経質そうな男の顔を映し出した。  その顔は、声と同じ欲情を孕んでいる。    なんで。どうして。  どうして、この男と同じ顔をしているの。  どうして、私をそんな顔で見るの。    こんな顔、向けられたことなんてない。  こんな顔、娘に向けるわけ--……。
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