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「えーっと、紹介するな篠崎。こいつは、」
「私は蔓下麻香です」
「……だ。篠崎も自己紹介」
「はっ初めまして!篠崎佳小里―しのざきかおり―です!」
“よろしくお願いします!!”
そういって頭を深く下げた篠崎さんに、溜め息。そんなに頭を下げられると、話もしにくいし顔も見えない。
………篠崎さん、黙っていればものすごく美人なのに。
白い陶器のような肌
薄ピンクの頬
赤く色づいた唇
少しくせ毛そうな色素の薄い髪
まるで少女漫画の世界から飛び出してきたような綺麗な篠崎さんに、残念だ。という思いを込めてもう一度溜め息。
「な、なにか気に触ることでも……??」
「…いえ、何も。これから私は貴女の世話係なので、分からないことがあったら何でも聞いてください」
「あっ分かりました…お願いします!」
「じゃあ、とりあえず新人さんのお仕事のことを教えますね」
はい!そういって嬉しそうにはにかんだ篠崎さんに、なぜか少し負けたような気がした。
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