上司と部下

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 なぜか、と言われればなぜだろう?と答える。  ……自分でも、何に負けたのかがわからなくなった。 「篠崎さん、これはすぐに覚えてください。このコップがあそこに座っている松尾さんのものです。間違えたらうるさい人なので、頑張ってください」 「っ、は、はい」 「じゃあ次はこっち。これはさっき話してた今藤先輩のものです。猫舌だから一番初めに淹れてください」 「わ、分かりました、」 「次は……」  ふむ、ふむ、とメモか紙にコップの特徴を書いていく篠崎さんを横目で見る。別に、メモることでもないのに、と。  それでも真剣に聞いてくれるだけマシなのか……? 「……これでここの説明は終わりです。他の仕事はとりあえず私の仕事の手伝いをしながら覚えていってください」 「分かりました!!」 「……可愛いですね」 「っえ?」 「あっ、いや……何も」
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