独身志望者。

合コンと母

「失敗とか、そういう問題…？」

「あたしからすれば、そういう問題」

　そういってまた新しくビールを仰ぐ母に溜め息。もう誰がいってもこの人のことは止められないのだから、諦めよう。

　この年で未だに“父”に作ってもらっている空になった弁当箱を流しのところへと出していると、その拍子に鞄の中から何かが落ちた。

　…あ。

「…ん？何よこれ」

「あ、いや、お母さんそれは」

「……アンタ、」

「…何」

　あぁ～…と頭を抱えたくなった。何でまた、一番見られたくない母に見つかるの。

　ひらり、わざと目に付くように落ちたソレは今日、会社に行って直ぐ先輩渡されたもの。

　…確実に言われる、絶対に行けって。なんたって母は、

「これ、行きなさいよ？！前のお見合いの相手みたいなマザコン男なんかより絶対にいい男いるから！！」

「…はぁ」

　私のお見合いを強制的に仕立てた人だから。