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「そうと決まれば準備!!…ってこれ明日じゃないの!」
なんで言わないの!とばかりに私を睨みつける母だけど、そんなことを私に言われてもどうしようもない。
そもそも行く気なんてなかったし母に見せるつもりもなかった。それにこういう相手を探すのは、別の方が私的には…
「こういうのはね、きっかけなのよきっかけ。アンタは家事とか仕事のほうはあたしに似てるけど、恋愛はまるでパパそのものよ」
「でも、」
「でもじゃないの!!あーもう、なんでそこまで恋愛に興味を示さないの」
いくつになっても恋愛体質らしい母はさっきから手放さなかった大好きなビールを手放してまで、なにやら必死に自分の仕事道具を弄っていた。
「さぁ髪を切るわよ!」
「なにか用意してると思ったら…なんで髪を切るのよ?」
「明日のために気合入れるんでしょ!明日は土曜だし、アンタ長い間髪切ってなかったし、違和感はないわよ」
「普通にあるでしょ」
「メイクもあたしがするから」
「……もう好きにしてください」
がっちりと肩を掴まれ動けない私はそういう外なかった。
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