上司と部下

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 確かに私はまだ一度も“恋”と言うものをしたことがない。ていうかそれが分からない。  そもそもどこからが恋なのかも分からないし、好きだと言う感情も良く分からない。親を信頼しての好きや、友達に対しての好きとは違うっていうのは、なぜか父親に熱く語られたのを覚えている。  …もういっそのこと、このまま独身を貫いてもいいんじゃないだろうか?  なんて、 (流石にそれは、女としてはだめなんだろうなぁ…)  定時通りに来たバスに乗り、揺られながら考える。こんなことを考えるようになった時点で、私も年かな。  コン、と頭を窓に傾けたとき、静かにしていた携帯が鞄の中で暴れた。  ……内容は、
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