24 計略-2

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「客人を差し置いて、主ばかりが飲むわけにはいかないだろう?」 「それでは、お水をお願いします」 「じゃあ、ルームサービスで、炭酸水でも――」 「いえ、本当に、水道のお水で充分ですから」 「水道の水って、君……」 という問答の末、結局、 今、私の前には、ワイングラスに入った、無色透明の液体が置かれている。 器が豪華だと、こ洒落たドリンク風に見えるけど、 中に入っているのは、料理に付いていた、ただの飲料水だ。 『はあぁっ』、と、 思わず出そうになる溜息を、笑顔で封じ込める。 ――どっと、疲れた。 なんだか、これだけで、すっかりエネルギーを使い果たした気がする。 これからが、本番なのに、 最後まで、笑顔キープできるだろうか、私。 かなり、怪しい。
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