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どうにか、本題に話の流れを持って行けないものか、考えあぐねていたら、敵さんが戦端を開いてくれた。
「君は、結婚を考えていないのかな?」
またまた放たれた、脈絡のないセクハラ発言に、頬の筋肉がヒクりと、引きつる。
「今のところ、特に、予定はないですが?」
何が言いたいんだ、この人。
もしかして、
ただ単に、暇つぶしにからかわれてるだけとか、ないでしょうね?
「質問の仕方が悪かったな」
フッと、鼻先で笑った後、
彼は、手にしていたワイングラスをテーブルに置くと、両腕を組んで私を見据えた。
「君は、東悟との結婚を、考えていないのかな?」
感情が読めない低い声音に、ドキリと、鼓動が大きく跳ね上がる。
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