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質問に対する驚きではなく、まして、恐怖でもない。
――来た来た来た!
やっと来ました、本題、メインディッシュ。
予想を外さない想定内の質問に、がぜん、対戦モードが高まってく。
「あの、何か誤解なさっておられるようですが、私と課長は、別になんでもないですよ」
言いたかったことをやっと主張できて、思わず、にっこり、安堵の笑みがこぼれる。
「なんでもない、ね……」
ふうん、と、
うろんげに半眼にした眼差しで私を眺めると、彼は、組んだ腕をほどき、
傍らに置いてあった、A4版ほどの大きさの茶封筒を、無造作に、テーブルの上に放り投げた。
パサリ、と、
茶封筒の口から飛び出し広がったのは、見覚えのある写真の束。
「では、これがどういうことか、説明してもらえるかな?」
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