24 計略-2

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「……」 思わず、答えに詰まった。 膝の上に乗せた両の手のひらを、ぎゅっと、握りしめる。 正直に答えるなら、私は、課長から、過去に何があったのかは、『聞かされていない』。 ただ、『あの時は、すまなかった』と、詫びの言葉を言われただけだ。 でも、それを口にするのは、ためらわれた。 自分が何も知らないこと、 それを知られることが、嫌だったからじゃない。 知らないと答えることで、 この人が、次に何を言うかが、予想できてしまったから、ためらったのだ。 「簡単な質問だと思うが、答えられないか? それとも、答えたくないのかな?」 ここでダンマリを決め込んでも、話は進まない。 結果、私は、ここから帰れない。 気は進まないが、答えるしかない。
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