24 計略-2

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「……聞かされていませんが、そのことが何か、この後のお話しに関係ありますか?」 「おおいにあるから、聞いているのだが?」 こうもきっぱり肯定されては、さすがに、反論できない。 「……聞かされて、いません」 「なら、まずその辺から、説明しないといけないな」 「ま、待って下さい。それは……」 「聞きたくないと?」 ――聞きたい。 知りたい。 今まで、知りたくても、課長には聞けなかった、過去の出来事。 あの時、置き去りにされた恋心が、今も胸の奥底で泣いている。 『どうして?』と、泣いている。 でも、それは、この人の口から語られるべきものじゃないはずだ。 だから、私は、決意を込めて、ゆっくりとうなずいた。 「はい。聞きたくありません」 ――少なくとも、あなたからは。
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