24 計略-2

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それじゃ、 課長も、この人も、その一族っていうこと? うそ……でしょう? 「……」 人は、本当に驚いた時には、声が出なくなるらしい。 確かに、 こんな高級ホテルのペントハウスに住んでいて、 リムジンなんかで乗り付けて、 お金持ちなんだろうとは、思っていたけど。 それは、例えば、親がどこぞの会社の社長とか、資産家とか、 あくまで、普通のお金持ちを想像していたのであって。 まさか、そんな桁外れなお金持ちだなんて、想像できるわけがない。 下手をしたら、世界のお金持ちランキングとかにも入っていたりするのかも。 ――ああ、なんだか……。 驚きの後にこみ上げてきたのは、諦めにも似た寂しさ。 ――なんだか、遠いな。 ますます、課長と自分の距離が、グーンと離れてしまった気がする。
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